あれ それ これ

ライトノベル、アニメ、マンガの感想など。

ハルヒとルイズとクロハ

ライトノベルで好きな作品を3つ挙げろと言われたら戸惑うと思うけど、ライトノベルにハマったきっかけとなった作品を挙げろと言われたら次の3冊のライトノベルを挙げると思う。「涼宮ハルヒの憂鬱」と「ゼロの使い魔」と「僕の妹は漢字が読める」の3つだ。この3つの作品の僕が感じた魅力を書いておきたい。

涼宮ハルヒの憂鬱」は2003年角川スニーカー文庫から出版された、谷川流著、いとうのいぢ絵のライトノベルである。 2006年4月からアニメ化され、2009年4月から再編集と新規エピソードを加えてアニメ化、劇場版アニメ化、スピンオフ作品のアニメ化など多数。 涼宮ハルヒは空気の読めない女子高生、クラス内での自己紹介で「ただの人間には興味がありません。宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」と宣言、クラス内で浮いた存在になってしまう。このライトノベルの語り手であるキョン(本名不詳)は、ある日彼女に声をかけてしまうことで彼女に気に入られて、彼女に振り回される毎日を送ることになる。 この二人の周りに集まってくる魅力的な登場人物や、少し不思議なSF要素が入りこんで物語は構成されていくのだが、僕はハルヒキョンの二人の関係性が一番おもしろい部分だと考える。ハルヒは上のセリフのように周りを気にせず面白い非日常を求めて突き進む。しかし内心では、そんな非日常などあるはずないのだと諦めてもいる。キョンは平凡な日常に満足し、ハルヒに対して冷ややかな態度を取る。その一方で、非日常への憧れを持っていた子供のころを冒頭で語る。この二人は互いのことをどう思っているのか。表面では?内面では?やきもきしながら二人のやり取りを楽しめる。

ゼロの使い魔」は2004年MF文庫Jから出版された、ヤマグチノボル著、兎塚エイジ絵のライトノベルである。 2006年7月から四回もアニメ化された。 この作品の主人公は日本人の少年平賀サイト。しかし舞台は現代日本ではなく、中世ヨーロッバのような封建社会に魔法や魔物が存在する地球とは異なるファンタジーな世界。ヒロインであるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールによって彼はこの世界に召喚されてしまう。ルイズは魔法を学ぶ学校の生徒。貴族のお嬢様でプライドの高い性格をしているのだが、魔法が全く使えずゼロのルイズと周りから揶揄されていた。平賀才人は彼女の高飛車な態度や階級社会の常識に辟易しながらも、その世界の生活に順応し、彼女の高潔な性格に魅力を感じ。そんな二人が活躍していく様を描いたファンタジーである。 僕にとってこの作品の魅力は、平賀才人の等身大な思考・言動・行動だ。読んでいて共感し胸が熱くなる。そして凄く読みやすい。1〜2時間で1冊読みきってしまう。これがライトノベルか!と驚いたのを記憶している。

僕の妹は漢字が読める」は2011年HJ文庫から出版された、かじいたかし著、皆村春樹絵のライトノベルである。第5回ノベルジャパン大賞銀賞受賞。インパクトの有るタイトルなので話題になった。 舞台は2200年の日本。主人公のイモセ・ギンは、妹のクロハと日本有数の作家オオダイラ・ガイを訪ねに行くところから物語はスタートする。2200年の日本は萌えが蔓延し(例えば総理はアニメのキャラが務める。)、漢字が廃れカタカナと記号のみの文字が流通している。その未来の正統文学は萌えで、妹がヒロインで、不自然なパンチラが必須だ。タイトルにあるように妹のクロハは漢字が読めるが、逆に彼女以外のほとんどの日本人は漢字が読めない。物語は主人公のイモセ・ギンの一人称視点で語られる。彼は未来ではまっとうな人であるようなのだが、どうにも考え方や言動がおかしい。妹のクロハは僕から見るとまっとうな考え方をしているのだが、彼から見るとおかしいらしくいつも心配されている。その倒錯が面白い。 物語が進むと2000年代にタイムスリップしてしまう。現代では今度は彼の考え方が特別で、妹の考え方が普通になるはずなのだが…。基本、妹萌えにまみれた話なのだが、常識と非常識が逆転している枠組みが魅力だと思う。

ライトノベルって魅力的だ。